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第11話 現実を把握して、見えないお化けを恐れるな

本日のお客様 衣料品関係の会社 社長ご夫妻

金融機関への支払いが難しくなっています。

 

随分ご無沙汰しています。最後にお会いしたのは3年くらい前ですか?

お二人ともお変わりなく。で、本日は?

あら・・そうですか・・ご商売うまくいってないんですね。

銀行が・・・保証協会にまわすことになると言っているんですね。

そうしたら担保に入れた自宅が競売になってしまう。すぐに出ていかなければいけないか?ということですね。

ご自宅ですが、住宅ローンはまだ残っていますか?あと3500万円くらい。住宅ローンの返済に遅滞はありますか?今のところは払えているのですね。もし、いまご自宅を売るとすると幾らくらいで売れそうですか?3000万円は無理な感じですか。最終的にはちゃんと評価する必要がありますが、とりあえず近隣の不動産屋さんにそれとなく聞いてみてください。「もし今売ったら幾らくらいかな~」って。それと、ご自宅の謄本を取ってください。抵当権者の順番と抵当権の付き方を確認します。

謄本を見ないとわかりませんが、住宅ローンは1番抵当でしょうから、自宅の売却予想額が住宅ローンの残高より低ければ、2番、3番の抵当権者が競売を申し立てても結果、競売にならないと思います。

それと、銀行が保証協会に代位弁済を求める件ですが、そもそもその為の保証協会ですから。

ことによったら代位弁済してもらいましょうよ。だってその為に保証料を払ってイザというときには、立替て払ってもらう契約をしているわけですから。銀行が「保証協会に弁済してもらったらこの先融資は受けられなくなる」と言っているんですね。でも、すでにもう融資してくれないですよね。じゃあ今なら融資してくれますかって聞いてみてください。

とにかく、社長がこの先どうしたいのか、できること、できないことをしっかり調査して今の御社の現実をしっかり把握しましょう。不安はいっぱいあるでしょうが、ただ想像だけで、出てもいないお化けを怖がっていたら精神的に参ってしまいます。現実をちゃんと把握すれば、どんなお化けが、どのあたりで、どんな登場の仕方をするかわかりますから。

そうしたら、対策も見つかります。

社長も奥様もここが正念場です。私が陰陽師になりますから一緒に戦いましょうね!

 

今回の肝

銀行は法律に則った正しい貸金業者です。利息も適正で、相談にも乗ってくれます。

ですが、銀行側が本当に駄目だと判断したら、貸金回収に動くのは早いです。そもそも融資をする際に、保証人を求めたり、抵当権を付けたり、保証協会を付けたりと、しっかり担保しています。金融取引には法律で決められていることが沢山あります。その法律の中には借り主側の助けになることもちゃんとあるのです。知恵をつけましょう!