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第19話 会社設立時の代表者の選任 船頭は一人がいい

本日のお客様 ご友人と会社を設立したいというお客様

お一人で相談に見えました。

 

○○社長様のご紹介ですね。

始めまして。ようこそおいでくださいました!

ご友人とお二人で会社を設立なさるご計画ですか。業種は?衣料品の企画製造販売。

店舗は持たずに卸売りをするのですね。製造は全て外注。

企画とデザインはあなた様が、ご友人は営業担当ですね。

株の持ち分は?半分ずつ。代表者はどちらが?二人代表で。なるほど・・。

そもそも会社を設立しようと持ち掛けたのはどちらですか?ご自身ですね。

企画力とデザインに関しては自信があるが、営業は苦手なので営業力のあるご友人に声を掛けたわけですか。それで一緒にやるからには株も半分ずつ、代表権も一緒にと・・・。

それはご友人と話し合って決めたことですか?そうですか・・。

えっ!でもご友人はイヤダと言っているんですね!代表とかにはなりたくないと!

それは良かった!!

あ、ごめんなさい!でも良かったです。この会社、ご自身が51%以上の株をもって、代表取締役はご自身がなるべきと考えます。その方がうまくいくように思います。

会社を運営していく上で役割分担することは当然です。しかし、経営に係る決定権はできれば一人がいいです。経営陣が会議の上で意見を交わすことは大切なことですが、それを最終決定するのはやはり代表者です。決定したことが正しいかどうかはわかりませんが、どうあれそれを決定し、その決定に責任をもって進めていくことが代表者の任務です。今回のようにご友人が自ら代表にはなりたくないというのならなおさらです。

経営者の中にも、リーダーに向いているタイプと2番手で力を発揮するタイプとあります。その多少の上下関係の中でお互いを信頼しあって、尊敬しあってタッグを組むことが最強なのです。

是非あなたのリーダーシップでご友人の力を発揮させてあげてください。

「全ての責任は我にあり」その覚悟こそが中小企業の経営者、代表取締役社長のプライドです。

 

今回の肝

経営者は、みなさん多少癖があって「自分」を強く持っています。

風をとらえて、チャンスをものにする。強引さも必要です。ことに小さな会社の経営者にはひらめきとそれを具現化する瞬発的行動力がとても大切です。

今回のように二人で会社を設立したいという話はよくあります。しかし、お互いが経営者タイプであればあるほどぶつかることも多く、自分の思うようにやりたいと強く思うようになります。また本来経営者タイプでない場合は責任のなすり付け合いになります。そして数年で分解。

「船頭多くして船山に上る」と申します。リーダーは1人だからこそリーダー。

そもそも経営者は孤独なものなのです