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第5話 銀行から融資を受けるための注意点 その2

本日のお客様 第4話の企画会社社長のご友人の社長

銀行融資のご相談です。

 

初めまして。コンサルティングのMと申します。

はい。はい。はい。そうでございますか。いえいえ。いえいえ。ありがとうございます。

早速ですが、本日のご相談は、銀行に融資を申し込まれたいということですね。

既に銀行にはいかれたのですか?相談はされたのですね。何か資料を渡しましたか?

なるほど、資料を出す前に私に相談した方がと○○社長がおっしゃったのですね。フフ・・。

あ!いえ何でも。では決算書を拝見いたします。3期分ですね。フフ・・あ!いえ何でも。

ん~・・あの~・・前々々期が赤字で、前々期が赤字で、前期決算が黒字ってことですね。しかもちょこっと。何だか不自然な感じが・・。初めてお会いしたのに大変失礼ですが、作った感満載な決算数字です。

そうですか。納税が嫌いですか。そうですよね~。それで2期連続の赤字決算。で、融資を受けたくなって突然の黒字。しかもちょこっと。

社長、ざっくばらんに伺いますが、そもそも2期赤字事態が本当は違うのではないですか?節税してますでしょう?そうとう?

社長。大変申し訳ありませんが、今期のご融資は無理だと思います。2期連続赤字の上に

微々たる黒字で。これでは銀行としては返済が見込めません。この決算書では借入金の返済原資が会社にないという状態をしっかりと明確に表してしまっています。

銀行への返済は、当期利益の中にあるのです。というのも利息は経費になりますが、元金返済部分は経費ではありませんよね。借入金という負債が減少するだけです。ということは、

例えば、返済元金が月10万円だとするならば当期利益が120万円以上なければ返済は不可能ということになります。お判りでしょうか?

と言う訳で、申し訳ないですがこの決算状況では融資は望めません。

どうでしょう。苦しいでしょうが、今期1年踏ん張って、是非良い決算を目指してください。政治に対しても色々と不満はありましょうが、この国は税金で成り立っています。ましてや現在法人税は非常に低い税率です。納税を避けていたら、会社の成長は望めません。

社長の本来の経営者たる力を存分に発揮した決算結果を是非提出してください。その時初めて融資の道が開きます。きれいごとを言っているのではなく、経営者の心構えを申し上げています。もし私の話が必要と思っていただけるのでしたら改めてお話させていただきます。ご検討ください。

 

今回の肝

決算書は税金を計算するために税務署に提出する書類ではありません。1年間の会社の成績を表すもの。言うならば経営者の通信簿です。そこを勘違いすると会社の真の状況が見えなくなります。まずは本来の成績を把握してください。決算書の作成はそれからです。